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無機塗料とは?特徴やメリット・デメリット、費用相場、代表的な商品などを解説!

2021.05.25
外壁・屋根塗装を行う際、どのような塗料を採用するのかが重要なポイントとなります。

とくに「無機塗料」は数ある塗料の中でも最高グレードの塗料であり、耐用年数の長さなどが特徴です。しかし、グレードが高い分、塗料の単価が高額なので「高くても選ぶ価値があるのだろうか?」と疑問に感じている方も多いでしょう。

そこで今回は、無機塗料の特徴やメリット・デメリット、費用相場などを解説します。外壁・屋根塗装を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

無機塗料の特徴


無機塗料とは、無機物を配合して作られている塗料のことです。

具体的な無機物の例を挙げると鉱石、レンガなどがあり、屋外に何年も置いていてもほとんど劣化しないのが特徴の一つです。

ただし、無機物のままだと硬すぎるので塗料として使用できません。そこで、無機物に樹脂成分(有機物)を混ぜて塗料にしたものが「無機塗料」です。100%の無機物ではないものの、有機物だけでできている有機塗料と比較して高い耐候性があります。

有機塗料と無機塗料の違い

無機物や有機物と聞いても、あまりピンとこない方も多いのではないでしょうか。

そもそも無機物は炭素を含まない化合物であるのに対し、有機物は炭素を含む化合物です。炭素は加熱すると燃える、紫外線にさらされると劣化する性質を持つため、有機塗料は紫外線などの影響を受けて次第に劣化してしまいます。

なお、有機物はプラスチックや紙類、アクリル、プラスチック、シリコンなどが挙げられ、アクリル塗料やシリコン塗料などはすべて有機塗料に分類されます。ただ、ひとえに有機塗料といっても、樹脂の主成分にどのような有機物(アクリル、シリコンなど)が含まれているのかによって、耐用年数などに差が生じます。

無機塗料は有機物にあたる樹脂成分があまり含まれておらず、無機物が主成分となります。紫外線で劣化する要素が少ないため、有機塗料と比較すると高い耐候性を持ちます。

【グレード別】無機塗料とその他の塗料の耐用年数と価格相場を比較


無機塗料は無機物を含んでいるので、外的要因の刺激を受けても劣化しにくいことがわかりましたが、「実際の耐用年数はどうなの?」「単価が高いのでは?」と疑問を持たれている方も多いでしょう。

塗料の種類ごとの単価相場は以下の通りです。

塗料の種類 1㎡あたりの単価相場 外壁塗装での耐用年数 屋根塗装での耐用年数
アクリル塗料 1,000〜1,200円/㎡ 3〜5年 3〜5年
ウレタン塗料 1,800〜2,000円/㎡ 5〜8年 4〜7年
シリコン塗料 2,500~
3,500円/㎡
8〜12年 7〜11年
フッ素塗料 3,500〜4,500円/㎡ 15〜18年 12〜15年
無機塗料 4,500〜5,500円/㎡ 20〜25年 17〜20年

無機塗料はほかの塗料と比較して、最も単価が高いといえます。しかし、単価が高い分、期待できる耐用年数が最長なので、費用に対する価値があるのか慎重に判断することが重要です。

無機塗料を用いるメリット


無機塗料は他の塗料と比較して耐用年数が長いことが魅力ですが、そのほかにも高性能なポイントがあります。

では、具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

耐候性に優れている

まず、耐候性に優れているので、外壁塗装の場合は20年以上、屋根塗装の場合は17年以上もの耐用年数が期待できることでしょう。

塗料の種類 外壁塗装での耐用年数 屋根塗装での耐用年数
アクリル塗料 3〜5年 3〜5年
ウレタン塗料 5〜8年 4〜7年
シリコン塗料 8〜12年 7〜11年
フッ素塗料 15〜18年 12〜15年
無機塗料 20〜25年 17〜20年

ほかの塗料では20年を超える耐用年数のものはありませんが、無機塗料は、紫外線にさらされてもほとんど劣化しない無機物を含んでいるので、20年ほどの耐用年数を実現可能です。

一般的にグレードが高いと言われるフッ素塗料を抑えて最長の耐用年数を誇るので、頻繁にメンテナンスをしたくないという方にとっては大きなメリットになるでしょう。

カビやコケが発生・付着しにくい

無機塗料はカビやコケの栄養になる有機物の含有量が少ないので、防藻性・防カビ性があることも無機塗料の特徴です。

カビやコケが発生・付着すると美観を損なうだけでなく、根付くことで住宅にダメージを与えてしまいますが、無機塗料ならカビやコケの発生を抑制でき、美観と住まいの保護を両立できます。

ゴミや汚れが付着しづらく落ちやすい

無機塗料は静電気が発生しにくいので、外壁表面にホコリや汚れなどが付着しにくくなっています。さらに親水性が高いため、付着した汚れの多くを雨水で洗い流されることもメリットの一つです。

親水性とは、水に対して親和性が高い物質のことで、水に混ざりやすかったり、溶けやすかったりします。外壁塗装でいうと外壁表面に水が広がるように膜を作り、ゴミも一緒に洗い流してくれるので、よい状態の外壁を維持しやすくなります。

燃えづらい不燃性の塗料である

無機塗料は火に強く、燃えにくい性質を持つこともポイントです。

たとえば、紙や木材などの有機物は着火すると黒く焦げて炭になりますが、石やレンガは着火しても燃えてなくならない通り、無機物を含む無機塗料は有機塗料と比較して火に強い性質を持ちます。

無機塗料は100%無機物ではないので全く燃えないわけではありませんが、万が一住まいの近くで火事が起こっても、被害を受けるリスクを低くすることができます。

無機塗料を用いるデメリット


無機塗料はグレードの高い塗料であり、耐用年数以外にもさまざまなメリットがあるとわかりましたが、デメリットもあります。

ではどのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。

価格が高い

無機塗料は数ある塗料の中でも最上級グレードにあたる塗料なので、単価が高額であることがデメリットです。

外壁塗装で主流のシリコン塗料は1㎡あたり2,500〜3,500円、グレードが高いとされるフッ素塗料で1㎡あたり3,500~4,500円であるのに対し、無機塗料は1㎡あたり4,500〜5,500円と高単価です。

そのため、外壁・屋根全体に無機塗料を採用すると、予算オーバーになる可能性が高いでしょう。また、メンテナンスサイクルを長くするよりも、1回あたりの施工費用をできるだけ抑えたいという方にも不向きだといえます。

施工に知識と技術が求められる

無機塗料は2006年ごろに登場した新しい塗料であり、なおかつ高単価なので、取り扱ったことのない塗装業者も存在します。

外壁・屋根塗装は、どんなによい塗料を採用したとしても、施工技術が悪ければ施工不良につながりかねません。たとえば、耐用年数より何年も早く塗膜が剥がれてしまったり、仕上がりに色ムラやピンホールが見られたりするケースがあります。

とくに無機塗料は登場から年数が浅く、採用されるケースが多いわけではないので、知識や技術が不足している業者にあたる可能性が高いでしょう。そのため、無機塗料の施工実績が豊富かを確認し、慎重に業者選びを進める必要があります。

完全にツヤを消すことができない

外壁塗装では、塗料のグレードや色を選択できるほか、ツヤの程度を調整可能です。

ツヤは「ツヤ無し」と「ツヤあり」の2種類に大別でき、さらにツヤありは「ツヤあり・7分ツヤ・5分ツヤ・3分ツヤ」からツヤの程度が調整できます。

ツヤなしの仕上がりはマットでナチュラルな印象になるので好まれるケースも多いですが、無機塗料ではツヤ無しを選択できないことが大半です。できたとしても5分ツヤ・3分ツヤまでの商品が多いので、マットな質感を好む方は塗料の選択肢が限定的になるでしょう。

高くても価値がある?無機塗料はどのような場合におすすめ?


無機塗料は20年を超える耐用年数が期待できるうえに、防藻性・防カビ性、親水性など、屋根・外壁塗装に適した性能を持っていますが、デメリットもあるのですべての住宅におすすめできるわけではありません。

無機塗料は、外壁・屋根塗装において以下のような条件を求める人におすすめです。

・長期的な目線でメンテナンスコストを抑えたい
・リフォームの回数をできるだけ少なくしたい
・塗装予定の住まいに20年以上住み続ける予定がある
・光沢・ツヤのある仕上がりが好みである
・コケやカビ、藻などが発生しやすく悩んでいる

とくに、1回あたりの施工費用は高額でも、将来的にかかるメンテンコストを抑えたい方には適しているでしょう。

無機塗料は塗料の単価が高いので施工費用は高額になりますが、一度施工してしまえば20年程度は再塗装不要なので、塗り替えの回数を抑えられてコストパフォーマンスがよくなる可能性が高いといえます。

ただし、10~15年しか住む予定がない、1回あたりの施工費用を抑えることを優先したいという方にはおすすめしません。

無機塗料を選ぶときの注意点


グレードの高い無機塗料を選んだからといって、必ずしも期待できる仕上がりや効果が実現できるわけではなく、選び方によっては後悔するケースも少なくありません。

ここでは、失敗しない外壁・屋根塗装を実現するために、無機塗料を選ぶときの注意点を解説します。

無機成分の配合率は塗料によって異なる

無機塗料は、何パーセント以上の無機物を配合しなければならないといった決まりがなく、無機物を配合していれば無機塗料として販売可能です。

そのため、無機物が少量しか配合されていない、もしくは効果が実証されていない無機塗料を高い値段で販売しているケースもあります。

製品によっては配合率などを公開していますが、すべての製品が公開しているわけではないので、施工実績や評価、配合率などを確認し、信頼できる塗料を選択することがポイントです。

塗膜が硬く塗装できないところもある

ガラスや鉱石など、無機物は硬い物質なので、塗料として使用するために樹脂成分を混ぜているものの、他の塗料に比べて硬い塗膜が形成されます。

硬い塗膜は追従性がないため、温度や水分量の変化で伸縮しやすいモルタル外壁やコンクリート外壁、木材、大通りに面しているなどで揺れが発生しやすい場所には適さないことがあります。

追従性を持たせるために柔軟性のある成分を配合した無機塗料もあるので、外壁材や屋根材、周辺環境などに応じて慎重に塗料選びをすることが大切です。判断するのがむずかしいポイントなので、製品に記載されている塗装可能な素材を確認するのはもちろん、施工実績や技術力が確かな業者に相談するようにしましょう。

職人の技術によって仕上がりが左右されやすい

無機塗料は一般的な塗料に比べて硬く、施工がむずかしい傾向にあります。

さらに、比較的新しい塗料であることや、単価が高いために採用率が高くないといったことも相まって、施工実績が少なく慣れない職人が対応するケースも少なくありません。

無機塗料を選ぶときは、無機塗料の施工実績が十分にあるか確認したうえで、信頼できるところに依頼するようにしましょう。

住宅の外壁塗装に用いられる代表的な無機塗料


外壁塗装用の無機塗料を販売している大手塗料メーカーの製品と特徴を紹介します。

塗料選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

日本ペイント「アプラウドシェラスターNEO」

日本ペイントのアプラウドシェラスターNEOは、「超高耐候」「超低汚染」が特徴的な塗料で、最高級塗料の一つです。

屋外で雨風や紫外線にさらされても劣化しにくい超高耐候と、外壁の汚れを雨で洗い流してくれる超低汚染という機能を持ち、メーカーが想定している耐用年数は20年です。

また、無機塗料ながら柔軟性があるので、デメリットになりがちな塗膜の硬さがなくひび割れしにくいのも特徴です。

エスケー化研「エスケープレミアム無機」

エスケー化研のエスケープレミアム無機は、3つの効果で超低汚染性を実現しているのが特徴です。

1つ目の効果は雨が降ったら汚れを一緒に流してくれる親水性が高いこと、2つ目の効果は、汚れが外壁表面に付着する原因となる静電気を発生しにくくしていることです。3つ目の効果は、塗料の分子を網目状につなげて架橋密度を高めて隙間を少なくしているため、塗膜表面が非常に緻密で汚れが定着しにくくなっていることが挙げられます。

この3つの効果によって超低汚染性を実現でき、20年程度の耐用年数が期待できます。

関西ペイント「アレスダイナミックMUKI」

アレスダイナミックMUKIは関西ペイントの無機塗料であり、有機物にあたるフッ素樹脂と無機物の両方の特性を活かしたハイブリットな塗料です。

無機塗料のデメリットである塗膜の硬さを有機塗料で軽減し、しなやかで伸縮性のある塗膜を形成できるうえに、無機塗料ならではの耐候性の高さを発揮します。

伸縮性のある塗膜を形成できるので、クラックの生じやすいモルタルやコンクリート外壁をはじめ、サイディングやALCなどさまざまな外壁材に使用できるのが魅力です。

まとめ

今回は無機塗料の特徴やメリット・デメリットなどを解説しました。

無機塗料は外壁塗装で20~25年、屋根塗装で17~20年の耐用年数が期待でき、有機塗料ではない耐用年数を持つほか、親水性や防藻性・防カビ性など外壁・屋根塗装に求められるさまざまな性能を兼ね備えた際所油球グレードの塗料です。

ただ、塗料の単価が高い分施工費用が高額になること、ツヤ無しの塗料が少ないことに加え、比較的新しい塗料であるといった注意点もあり、すべての人に適している塗料とは言い切れません。

そのため、外壁・屋根塗装に求める要素を明確にしたうえで、無機塗料が合うか慎重に検討するようにしましょう。

ぜひ今回の記事を参考に、満足度の高い外壁・屋根塗装を実現してください。
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